たまきのたまき節

 

あなたなら、どんな馬に乗りたいというの?

それはポニー?それは競走馬?それは栗毛?果ては白馬なのかしら。

私なら、出来れば馬には乗りたくなくて。それはなぜなら少なからずお尻が馬臭くなるからで。特にお風呂に入った後に馬に乗るとしたならば、それはもう最悪よ。ゲロゲロのべっちゃべちゃよぉ!

てゆーかそもそも私なんていうのはお風呂に入ったその暁には外には出ねぇは料理はしねぇは(油の飛沫が飛ぶから)しかし晩御飯は食べるわ(お風呂に入る前に作っておくから)、ちょっとどうかと思うほどにノリノリのリラクゼーション・タイムを過ごす質で、そんな私がよもやお風呂上がりに何かしらの馬、下手すれば野生馬、ムスタングにまたがって「イィーーイッハァーーーッ!」等叫び散らして踊り明かして、そんな狼藉を働くなんてことは考えられぬことで、汗もかくし、そしてお風呂に入るということは一旦全裸になっているということで、1日の内に一回でも全裸を経た者はもうその日はゆっくりしときなはれ、ということわざも散見されるようですから、私はお風呂上がりはもっぱらビールとチキンね。もっぱらよ。そしてオシッコも随意に行くよね。これもまたもっぱら。お風呂上がりにもっぱらではないことと言えば表計算ソフトを用いての表計算ね。

 

私は銭勘定をしている時間が一番嫌いやの。

辛辣な顔してそろばん弾いて、やれ一円なーりー、二円なーりー、三円なーりー、四円なーりー、よし、まだまだ行くぜ!五円なーりー、六円なーりー、七円なーりー、よし、まだこの「◯円なーりー」を何かに言い換えた面白いことが思いつかないからまだまだ行くぜ!八円なーりー、九円なーりー、十円では!

十円!(敗北)

 

ね?このように銭勘定をしていると鬼のユーモアセンスと呼ばれている私ですら、いや、最近では「ユーモア」どころか「ユ~モア」だよね!とまで近隣の住民から言われているこの私が銭勘定をしているせいでかくも面白くなくなってしまう。友達が居なくなってしまう。てゆーか現時点で友達がほとんど居ない、という悲しき事実すら確認されているくらいですけん、たとえ「ユーモア」どころか「ユ~モア」であろうが、はたまた「湯~モア」であろうが、しかしカタカナよりもひらがなである方がより柔らかく温やかなお湯であるという印象を顧客に与えることが出来るための「湯~もあ」であろうが、あー、たしかにこれやと温やかなお湯から湯気が、もあ、と立ち上ってひとたび肩まで浸かれば幸せのピンクグレープフルーツのようなおざなりな幸せが約束されているような気がしてええがな、ということで紆余曲折あって「湯~もあ」で落ち着こうが「家族でハッピースパタイム  あなたの湯~もあ」であろうが友達がただの一人も居ないという事実に変わりは無いのであり、何処へ行っても四面楚歌、メニューにあればゴルゴンゾーラと好き勝手に一人でこの世の春をさも満足気にフラフラしてるんだって。

 

しかしそれこそが、たまきのたまき節であると私は言いたい。

 

たまきのたまき節に友達は要らない。厳密に言うと友達は要るけれどもそこは若さ故の強がりによって居ないくても良し、ヨッピー、ヤッピー(やったー、と、ハッピー、の合体言葉。真似して使ってくれてもいいけど、もしその場面に遭遇したら殺す)としておりますので、しばらくはこのまま鬼の形相で此の世を睥睨してこまして、周囲の人々に迷惑でもかけたろかしら。やめといた方がいいのかしら。