
余程のことがない限りは、写真を撮る際、被写体が斜めに写るようにした方がバリバリにセンスがある人間であるように思われると言われている。
なぜ斜めのに写した方がセンスがバスバスに入っているように思われるのかと言うと、斜めというのはざっくばらんに言うと何か"不安定な状態"であるからで、被写体が斜めに写った写真を見たユーザーは皆、「この写真を撮った人は、こんなに斜めに、こんなに不安定な状態で写真を撮っていて、そしてピントもしっかりと合わせているからすごいなぁと思いました。」という感想を具体的に言語化まではせずとも潜在的にはビンビリと感じることとなるのである。「この写真を撮った人は斜めの角度のセンスがとてつもなく、見ている僕たちに何か漠然とした不安を感じさせてくるる。こういう写真を撮れる人が天下を取るのだろう。こういう人に私は成りたい。夢叶えていきたい。」と潜在的にビンビリと感じることとなるるのであるる。
ならば逆に、被写体を真っ直ぐに、可能な限り垂直に撮ってみるとどうなるでしょう。想像してみてください。スーツを着て、全然おもんない顔で、フレームにバストサイズで収まっているあなたを。こんなにセンスのない写真がかつて存在したのでしょうか。というほどにセンスの欠片も無い写真世界がそこに広がっているではありませんか。
これではとてもではないですがユーザーの方々から「センスや良し。」の判定を頂けることは無いでしょう。むしろ「センスや無し。クソでしょ実際。」と言うに事欠いて批判や中傷の的ともなりかねないと思うと被写体であるあなたが不憫でなりません。写真を撮った私にまで批判が波及してきそうで、すごく嫌な気分となります。
なので口酸っぱく言わせて頂くが、写真を撮る際は可能な限り斜めに、そして出来ることならちょいと下から撮るようにするとよりセンスがバッスバス入っているように感じられて良いだろう。
しかし考えてみればどうだろう。
いくら己にセンスが無いことをユーザーに咎められたとして、それの何がいけないのだろう。自分が撮りたいように写真を撮る。たとえそれが被写体が斜めであれ真っ直ぐであれ、自分が良いと思った角度で撮れたならそれでいいじゃないか。
この世界に二度と訪れない瞬間をファインダーに収める。その行為のなんと貴いことだろう。なんと爆笑のことだろう。なんと素晴らしいのことだろう。貴重なことだから。
そして撮れた写真をモノクロに加工して、手書き風のフォントでポエムを書こうよ。
参考までに、たとえば「晴れた空の下、ブロック塀の上で寝る猫(ポエムのスペース確保の為、あらかじめ空を多めの量で撮っている)」の写真に添えるポエムならば。
にゃー
ポカポカ日差しでお昼寝にゃ
これだから猫はやめられにゃい
発情期は近い