俺はよけるぜ本格的に

 

中途半端によける奴が多いからかもしれないな、こんなにもよけることがズルいことみたいになっている風潮は。

よける、と一言にいってもそこには様々な効果がありまして、よけると痛くない、というのがそもそものことでありますが、たとえばよけることによって相手の攻撃が外れますから、するとどうでしょう、攻撃が空を切ると相手は本来なら僕に当てることによって勢いを殺そうとしていた部分を自分で制動しなくてはならなくなり、これが意外と疲れることのようでどれくらい疲れるかと申しますと、せっかく風呂に入ったのにひょんなことからも一度風呂に入らなくてはいけなくなるよな疲れ具合で、夏はええけど冬はしんどいよね、二回お風呂に入るのは。湯船に浸かってるうちはまだしも、上がってから髪の毛とか乾かさないといけないことを考えるとなんともね。そんな濡れ髪の。なんてよな疲れ具合になるのでだんだんと相手の動きを悪くする効果が期待出来ますし、そして考えてみればわかるのでしょう。もしもあなたが攻撃するだとして、相手に来る日も来る日もよけられていてはどうでしょう。モチベーションが下がると思いませんか?

 

攻撃ビューッ!当たらない。

攻撃ビューッ!当たらない(焦り)。

攻撃ビューッ!当たらない(泣き)。

人前で大のお前が泣き顔を晒すようなことになるでは御座いませんか。

 

「この日の為に仕上げてきたこの攻撃を、かように来る日も来る日もよけられて、俺は一体何のためにこの日の為に仕上げてきたのだろう。地元、帰るか。」

そんな青春の終わりに、私は海になりました。

 

攻撃は最大の防御である、という言葉がありますが俺から言わせれば、よけるのは攻撃も防御もそのどっちにも属さないし尚且つ最大の防御である、といった具合に「結局防御なんかい!笑かしよんなコイツ!」みたいな大爆笑が聞こえてくるのも無理はないのですが…。

 

 

いや分かります分かります。勢い勇んで「よっしゃ行くぜ!」と飛び出して行って次から次へと攻撃をよける様を思い浮かべてみてはどうでしょう。カッコ悪いとは言いませんが確かにやっぱちょっとズコーッとなってしまいますよな。それこそ此処から見えなくなるまでひたすらによけ続けて、あんなによけるだけで大丈夫かしら、なんて追いかけて行って確認すると未だよけ続けている。いつまでよけとんねん!と思わずツッこんでしまいそうになりますもんな。そんな午後に、私は海になりました。