
やってやるぜ!
ウンキョッキョ、ウンキョッキョ。
もう今この瞬間から、そしてこれから永遠に、ウンキョッキョのリズムでいこうよ。色んなことにウンキョッキョのリズムで対応していこうよ。
それは彼方の空の明けの明星。終わらないビートが始まる瞬間の興奮が私の全身のウンキョッキョを支配しつつある。嗚呼、そうだよこの感覚だ。
ウンキョッキョ。今宵、俺はパレードだ。
そうして好きなだけウンキョッキョのリズムによって楽しみをもたらされているのだなと思うと、このウンキョッキョのリズムを編み出した大師匠ことションベンカーブ先輩に今一度大感謝の意を示したい。ちなみに言うとションベンカーブ先輩は今流行りの透け前髪を編み出した張本人でもある為、今現在透け前髪のヘアスタイルにしている者も私と一緒にションベンカーブ先輩に大感謝致しませんか?喜ぶと思いますよ。ほな皆んなで言おかぁ!ぁせーのっ!
「ションベンカーブ先輩、ウンキョッキョのリズムを編み出してくれて、ついでに透け前髪のヘアスタイルを編み出してくれて本当にありがとう。真剣に言ってます。真剣な気持ちのありがとうございます。
ご存知の通り僕たちは長い間、聞きしに勝るドリチンであるところの先輩のことを死ぬほどバカにしつつ生活していました。先輩の、そのあまりにもこじんまりとしたドリチンのことを思い出しては周りの皆で寄せては返す大爆笑の波に飲まれたものです。時には誰かが、ションベンカーブ先輩、と呟いただけで笑っていることもありましたし、末期になってくると、ションベン、とか、ション、とか言うだけでも簡単に爆笑をとれる事態にもなりました。あまりにインスタントリーに笑いがとれるものですから皆が乱用し過ぎて段々とスベるようになってきて、終いにはションベンカーブ先輩がスベっているみたいにすらなっていました。
あとはそうですね、割り箸の袋を巧みに使って先輩のドリチンを正確に3Dモデルにした横川なんかは、未だに地元ではレジェンド扱いですからね(笑)。先輩の通っていた小学校に寄贈しておきました(笑)。
でもそんなただのいがぐり坊主だと思っていた先輩の編み出したウンキョッキョのリズムによって僕たちは未だ嘗て無かったこの気持ちいい感覚を味わうことが出来ているのですから、これはすごいことだと素直に思います。初めにウンキョッキョのリズムを刻み出した時は「お、ついに飛び出してもうたか。」と村の皆で心配したものですが、今となってはそのトラディショナルかつネイティヴ、オールドスクールにしてニュースタンダードな魅惑のリズムに皆が夢中も夢中で、ろくに働かなくて、GDPも下がって、でもそれでもいいと思えるほどのウンキョッキョのリズム…。
もう一度言わせてください、ションベンカーブ先輩。ウンキョッキョのリズムを編み出してくれて本当にありがとう!」
おっと、何が「ぁせーのっ!」や、そんな長いの合わせられるか!このダブハン!との声が外野から鳴り響いてきておりますな。たしかに後半は、というかほぼ僕一人でションベンカーブ先輩への謝辞を述べておりましたから。非常に無駄な時間でした。