
ニコニコ笑顔が印象的なこのあまり面白いことを言いそうにない青年こそが、この度新規のコンピューターオーナーとなった若手のホープであり、ルーキー、シャイニングスターなのである。
このコンピューターが簡単に手に入る、それこそモノによっては水よりも安く手に入る世の中にあって、我こそはコンピューターオーナーなり、とこれほどまでに誇らしげにしゃなりしゃなり出来るというのはある意味才能で、誰もが簡単に出来ることではなく、それは何故なら例えば呼吸が出来ることに関して、我こそは呼吸マスターなり、と誇らしげにしている人が少ないことにも顕著でありますが、要はそんなもの何の自慢にもならないなのに、ということをあたかもそれが誉れ高いことかのように大上段から申すことをほとんどの人間は恥ずかしがって出来ないからで、だのでこのご時世でコンピューターオーナーであることを自慢げに語れるのってある意味才能だよね、ってなことを私は声を大にして言いたいんですよね。
余談ですが、上記のように「声を大にして言いたい!」とほざいている者のほとんどがもう既に十分に大な声でものを言っているか、そうでなければわざわざ「声を大に~」なんて前置きせずに初めから大な声で言うたらええがな、ええ加減なこと言うとったら殺すぞ。と日夜憤っている貧乏人の小倅みたいな者も随分とこの辺りにも増えてきたみたいで、嗚呼、春なんやなぁって素直に思えるんだよね。そんな閑話休題…。
「この度、新規のコンピューターオーナーとなりましたよ僕は。今の時代コンピューターのひとつも操れずに何がヒューマンビーイングやねんって思って、それで思い切って購入することにして、購入したということは、オーナー、ということになるので、このようにコンピューターオーナーと名乗っている僕なんだの。
僕がこのコンピューターを使ってやりたいことは、検索とかかなと思っていて、検索をすれば調べもんが早く片付くし、色んなことを知って物知りになれば何かと浮世を渡りやすいかなと思いますから検索をいっぱいしようと思います。
もうひとつやりたいことはメールです。メールをすることは手軽に連絡をする手段ですし、世界中のどこにいても送受信が出来るのでコミュニケーションの幅が広がるので、これからのグローバルな方向に舵を取る浮世を渡って行くには必要不可欠なスキルかと思いました。
ただ、僕のコンピューターはデスクトップコンピューターなのでいずれも家の中でしか出来ないのですが、ノートのコンピューターや手の平サイズコンピューター等を持っていると、外でもコンピューターばっかりしてしまうと思うので逆に家の中でしか出来ないようにする方が良いと思いましたから。これが新規のコンピューターオーナーとしての僕の最終的な挨拶になります。」
そんな頼もしい挨拶を聞いて、誰が感動しないことがあるでしょうか。感動すると思いますでしょう。私だってそうです。御多分に洩れず感動いたしました。コンピューターオーナーの未来は明るいねってコンピューターオーナーズクラブのみんなで言い合ってましたから。万歳三唱してふとしたタイミングで嬌声もあげたりあげなんだり。
ただ、最後にあんなことさえ言わなければこの新規のコンピューターオーナーのルーキーのホープの株もここまで下がらずに済んだだろうに…。