ブリムチ エレクトリック ショック

 

暖かい空気の方が何故か上がっていくのだそうで、冷たい空気の方が何故か下がっていくのだということをいい加減に覚えて欲しいのですが、ということは、屁は暖かい空気ですから、たとえばエスカレーターのような己自身がどんどん上がっていくよな状況で屁をこくと、屁は暖かい空気ですから今まさに上昇していっている己自身と一緒に上昇していくこととなります。屁の空気中を上昇する速度は一般的なエスカレーターの速度と全く同じとされているので。

こうなるともうお判りでしょう。アホで有名な若彦もここまで説明すると「あっ…。」みたいなアホみたいな顔をしていましたから、若彦に判って賢明なあなた方に判らぬハズがない。なのでこうなるともうお判りかと思いますが、つまりエスカレーターで上昇している最中に屁をこいだ場合、そのエスカレーターを上りきるまで屁もずっとあなたと一緒に上昇してくるさかい、あなたはずっと己自身の屁の臭さに悩まされ絆されて、そしてエスカレーターを上りきったその時にはすっかり泣いている、ということになる危険性があるということなんです。つまり人前で己が屁の臭いによって泣くことになる、と。

そんな悲しかったことがあってよかったのでしょうか。いいえ、あってはならぬハズです。ハズなんです。

私たちはみな幸せになるためにこの世に生を授けられました。そんな幸福の種子である私たちが、よもや己が蒔いた種、こいだ屁によって泣かさるるなどということがあってよいのでしょうか。そんなことで此の先の人生が輝いて煌めいていけるのでしょうか。無理だと思います。

なので私がまずあなた方に伝えたいことは、屁をこぐならばエスカレーターで下降している時にこいだ方が良いんじゃないのかなーっていうことなんですよね。さすれば空気中を上昇し続ける屁のこと、どんどん下降していく僕たちのことなんて気にも留めずにふわりふわりと上へ上へと臭さを運んでいくことでしょう。これで誰も泣かずに(たぶん)屁をこぐことが容易になり得ました。祝いの歌をうたいましょうよ!

 

とこうして物事の些細な、しかし大きな歪み的なものをしっかりと丁寧に解決していくことでどうでしょう、なにか新たなる地平が拓けたように思えませんか?自分こそが真のパイオニアであると心から思い込めませんか?思い込んでいるとしたら相当にヤバい(古来からの意味で)ので今すぐ最寄りの大根屋さんに行ってそこのご主人に職業を尋ねてみてください。

大根屋さんを生業にするほどの劇場型のご主人のことですから、きっとこう言うのでしょう。

「俺の念仏はなぁ、大根屋さんなんだよ!」

これにはアホの若彦みたいなアホも大爆笑で、決して意味は判っていないものの大爆笑を禁じ得ず、寝ても覚めても大爆笑の波に飲まれてキリキリ舞いのポンポンチキだったというのですから人生って面白いんですよねー。

 

大根屋さんの咆哮に調子づいた若彦ときたら、一丁前に女性の好みなんかを語りだしゃあがってからに、それがどんなものかと聞いてみれば、

「ボキの場合にはブリンとしていてムチムチなる体つきの女性が好みのこと。愛するのこと。つまりブリムチの女性の好みの。これはいわゆるグラマーとは違いて、どちらかというと友達のお母さんの体型にあたりまして、ウノのお母さんにあの日感じた劣情、それがこの嗜好の種となりて、ある程度大人になった今、熟女ヘルスなどでその小さかった種を存分に開花させているボキなので、いやはや、ブリムチ好きの男児を8人から集めて理想のブリムチを語り合おうの会を開催してみたいよね。だからまずは友達を作りたい若彦であった。」

となかなか一筋縄ではいかない性的嗜好を吐露してくれた若彦であったが、その時の若彦の顔の気持ち悪いこと気持ち悪いこと(泣き)。

 

いや正直な話けっこう前から若彦のことは気持ちが悪いからなぁとは薄々感じていたのだけれど、ここに来てもひとつ衝撃的な電撃的気持ち悪さを発揮出来ているというのは実に微笑ましいことで、出来ればこの微笑ましさで脳を満たしたまま眠りについてしまいたい…なんて乙女のような淡い願いもある日々で、中古の、しかしある程度ええ値段のするベッドでも買いに走ろうそうしよう。