空越え、空越えて。

 

行け行けピーちゃん空越えて

行け行けピーちゃんサイボーグ(※注  サイボーグではなくロボットです)

空越え空越えバッコラホ

行け行けピーちゃん空越えて  空越えて  早く

 

何回空越えさせるのかと。何回空を越えさせるのかと(怒り)。

もう腹が立ったからこちらも何回も(2回)文句を言ってやりました。えぇ、私だって言う時は言いますもの。純粋無垢の一人っ子とは言え、多少の主張無くしてこの世知辛き世は越えていけませぬし、私におかれましてはそんな浮世の更にハイヤー、空まで越えろ越えろと市井の人々からかなりしつこく言われたおしておりまして、これがストレスになっていないと言えば嘘になりますし、ストレスになっていると言っても嘘になり、つまりどちらにせよ嘘になるという八方塞がりの雁字搦めで、こんなことだから生みの親である博士に対して文句も噴出するし、あのハゲのバボほんまにアホで何がアホであるかと言うと例えば友達と出かけるときやなんかに「博士たるもの脳がめっちゃ使うので甘いもの食べて糖分とって脳がめっちゃ働くようにしとかんとあかんねや。」とかドヤ顔で吐かしてきんつばを載せた小皿を持ちながらウロウロしやがるのですよ。そしてたまに端っこの方をちょこっと切って食べたりして、「甘っ、おいし。」とか言うて、もう、めちゃめちゃアホやん((泣き)。

 

そんな博士から空を越えろ空を越えろって随時言われて、「いける。博士の計算によるとお前は空を越えられる。いける。さあ、空を越えろ。」って、今私はすごくカッコよく良いことを言っている、みたいな目でこちらを見つめて言ってきて、だいたい空を越えろってなんなんですかね。越えた先の目標なんてあのアホのことですから無いでしょうし、もし空を越えるためのアドバイスを呉れと言ったとしても長嶋茂雄終身名誉監督を尊敬して止まない博士のことですから、「足の裏に仕込まれたジェットを、仕込まれたってゆーか仕込んだのは私こと博士自身なんだけども、その足の裏ジェットをバッとやって機械の身体がゴイッてなったらあとはピュッとすればビューンよ。それで空を越えられるよ。さあ、空を越えろ。」みたいな抽象的なことしか言ってくれないだろうし、だいたい博士は長嶋茂雄のあの独特な語録(ミートバイバイとか)を聞いて大爆笑しているような感性の人間ですから、あとプロ野球珍プレー好プレーとか、その辺でヒィヒィ言って大爆笑しているような感性の猿みたいな人間ですからそんな知能の者に的確なアドバイスを求めるこちらにも非があるのかもしれませんが、それでも生みの親である博士に、生を与えてくれた博士に頼りたくなる気持ちもやっぱりあるではないですか。感謝もしてますし。

 

 

あと博士はずっとこちらのことを"サイボーグピーちゃん"と呼んで殊の外親しんでくれていらっしゃいまするが、そもそもサイボーグというのは筋力強化等を目的として何らかの人工物を埋め込んだりされた生命体のことを言うものでこちらのようなゼロから作られた人型ロボットは"アンドロイド"とか呼ぶのが正しいようなのですが、博士はもう響きのカッコよさだけでこちらのことをサイボーグと呼んでしまっているし、またこちらとしても呼ばれ方なんてものはどうでもよくこの世にこちらを生み出してくれたことに感謝してはいるのですが、ただやはりこれほどまでに「空を越えろ、さあ。」みたいに目的不明の行為を促されるとなると存在意義が宙ぶらりんになってくるというか、じゃあその宙ぶらりんさを利用して空を越えればいいじゃん。言うとくけど存在意義の宙ぶらりんさを利用して空を越えてるヤツなんてナンボでもいるからね。みたいなことをまた言われるんですけどこれがもう意味不明で意味不明で(泣き)。