
自分の良いところ、ココは注目のポイントだぞ、というところをどんどんと自発的にPRしていきましょう。隙あらばPRをねじ込んでどんどんと自分のウリ、得意技を自発的にPRしていきましょう。必殺技、関節技をどんどんとPRしていきましょう。
さすれば、一見何の取り柄も無さそうなあなたですら、途端に何か腹に一物を抱えた政界の大物フィクサーの鉄砲玉みたいな感じで周囲から鳴り物入りで迎え入れられることは明らかでございますし、またそうなれば話は早いもので全ての出来事、やらなあかんことがトントン拍子の三拍子、ワルツで踊ってティータイム、奥さん、有閑倶楽部で一汗かかない?といった感じで思いの外スムーズに事が進み、それってすごい生き易くなるってことではないですか。ラッキーじゃあないですか。
だったらPRをしていく、挟んでいくということを一刻も早く徹底していただいたらいいのでは?と私めは思います。ただ、PRに見せかけてただの自慢になってしまっていたり、PRに見せかけてただの威嚇威圧になっていたり、PRに見せかけてHR(ホームラン)またはDR(ディーアール)になっていたりと、ド素人にはなかなかそのPR加減が難しいというのも事実です。
せっかくのPRで失敗こいてもうてその後の人生がハチャメチャになっては元も子も、身も蓋も、タネも仕掛けも無くなってしまいますのでここはひとつ穏便に、あくまで一例ではありますが、良いPR、悪いPRというのを響き渡らせて行こうかな、どうしようかな、と思ってまーす。
まず良いPRとは何かということになるのですが、先程も申し上げましたとおり
・自慢にならない
・威嚇威圧にならない
・PRのつもりがNR(ノーリターン)にならない
といった三原則が御座いまして、これを私たちの業界では「光の三原則」と呼んでおります。
なので逆に言うとこの光の三原則に則っていないPRが悪いPR、悪ピーに成り果ててしまっているPRと言えるワケなのです。
例を挙げてみましょう。
「私は本場タイにてムエタイを学び、それはそれは鬼強かったんでタイ全土にて私の試合がテレビで流れている日々もありました。私のエルボーはまさに凶器でありまして、何人もの選手をこの"斬れる肘"にてリングに沈めて参りました。今後はこの凶暴なまでの強さを生かして御社でお世話になりたいと思っています。あとマリファナとか欲しかったらいつでもおっしゃってください。そういうパイプがあります。」
これはどう考えても悪ピーで御座いますよね。自慢、威嚇威圧、PRと見せかけてCR(大海物語)、これがムエタイジムの面接でも無いかぎりはそんな強い奴が社内にいると物騒なだけで社員も萎縮してしまって金玉も常にシワシワのコリコリになってしまうことでしょう。パワーバランスが崩れるワケですね。
じゃあこの最強のムエタイ戦士はもう世のため人のために御社で働くことが出来ないのかというと決してそんなわけではなく、彼の良いところを光の三原則に則って改善すればたちどころに内定がいただけるようになります。
では先程の悪ピーに光の三原則を当て込んで流し込んで、染み渡らせてみましょう。
「私みたいな取るに足らぬ者ですが、アホはアホなりに本場タイにてムエタイを学び、勝ったり負けたりでタイ全土にて私の醜態がテレビで晒されている日々もありました。私のオチンチンはまさに小粒でありまして、何人もの選手をこの"見えぬチン"にて爆笑の渦に巻き込んで参りました。今後はこのどっちつかずな強さを生かして御社で雑用でもしていきたいと思っています。あとマリファナとか欲しかったらいつでもおっしゃってください。そういうパイプがあります。」
どうでしょう。自慢、威嚇威圧、無くなり失せ、謙虚で誠実な人柄、てゆーかもはや卑屈すぎてウザい感じが滲み出ているナイスなPRになり得たのではないでしょうか。
しかもこのPRにはPRにおいて光の三原則ともう一つ大切なことが含まれていることにお前らは気づいたのでしょうか。
それは、
「相手にとってメリットのあることを申す。」
ということです。
PRにはもちろん手前がどれだけ優れた人間か、イケてるパリピかをPRすることが大事なのですが、それに加えて手前を仲間に加えるとあなたにとってこんなにもステキなバリューがありますよ、ということをPRすることがもっとも大事なのです。これを私たちの業界では「光の三原則よりも大事なやつ。むしろこれさえクリア出来ていれば光の三原則なんてどうでもいいともいえる程のやつ。」と呼んでおります。
上記の例においてそれはココ。
「あとマリファナとか欲しかったらいつでもおっしゃってください。そういうパイプがあります。」
そう、手前を仲間に加えていただければ、あなた方はいつでも好きな時に太陽の光の中に入っていけますよというバリューを提示してあるのです。これはムエタイ戦士のファインプレーだと言う他ありません。さすがタイでムエタイを学んだだけのことはあり、その辺のパイプにもガッチリ食い込んでいるというのは見上げた商魂で御座います。さすが、ゴールデントライアングルの狼の異名をとっただけのことはありますね。
結果、彼はこの光の三原則プラスアルファにより見事にA社の中途採用を勝ち取ることが出来ました。
彼が働くようになってからA社ではやたらとレゲエが流行ったり、本棚の裏に隠し部屋が出来たり、逮捕者もまま出たそうですが彼曰く「俺の足が付くことはないように念には念を入れているし、逆らう者には肘や膝を入れている。俺はA社を巨大なシンジケートに育て上げ、この世を裏から牛耳るフィクサーとなるのだ。貴様も採用してやろうか?鉄砲玉としてだけどな!ムハハハ!」とのことでした。
PRのコツ、わかってくれたかにゃ?