花一匁

 

歩いていこうよ花一匁。

右足、左足、花一匁。

そしたらなんと友だちが出来たよっつって。

4人の友だち(内1人はサイに似ている)が出来たよっつって。

 

嬉しさ。

それが花一匁の嬉しさの全て。

一度、全く嬉しさの無い、嬉しさを殺した花一匁をやってみようっつって年齢や職業がバラバラの見ず知らずの老若男女を8人(内1人はカタカナが読めない)集めてマジで誰も知らない花一匁を開催したことがあるんです。

やはり初めのほうは皆さんすごくギクシャクしていて、泣けるねっつって、「どうします?やります?」みたいな空気が溢れかえってて、これって物悲しいよね、不安だよねっつって上を下に、または下を上にの大騒ぎで、内藤なんかはテンパって救急車呼ぼうとするし、もう私なんかも這々の体で参加者の皆さんを落ち着けてさ、ちょっと待てと、安らかになれと、清らかであれと、たかが花一匁をやるだけなのに老若男女8人(内1人はどう考えてもオカマ)が何を大騒ぎしとんねんと、落花狼藉の宴やねんと。しかしこうして本日、誰一人としてブッチすること無く集まりて、普通はこんなもんブッチしますから、こんな、婚活パーティーでもないような、他人の人生ナメてるとしか思えないような企画ね。かかる休日にこんな荒んだどうしようもない河原に集合して。普通ならブッチしますよ!

でも皆さんこうして集まってもらって、予定していた軽食も交通費も出せない僕ですが、皆さんに対する感謝の気持ちこそが何よりの御礼なんじゃないかなって心の心から感じとります。大丈夫です。やっていけます。

てな感じでなんとかその場でごちゃごちゃと御託を並べてケムに巻いて収めて、一旦オセロタイムとか挟んで何とか事なきを得て、さて、ほたらもっぺんやってみようよ花一匁ってことでやってみたら不思議な摩訶なもので初めはあんなにギクシャクしていた老若男女8人が花一匁の力でだんだんと一つの大きな輪というか、光の塊というか、なにかこう人知を超えて大きなものになっていく感覚というか、だから僕はそこで涅槃を見たんですよ。

「あなや、アナル、花一匁ってこういうこと…か。」

みたいな。死ぬ直前みたいな。

それってステキなことですよね。やまだかつてないことですから。でもそれってステキなことですよね。やまだかつてなかった事実ですから。

そうやってモンメ(我々の世界では稀に花一匁のことを"モンメ"と呼びほざいています)の力でバラバラだった人々がひとつになっていける。なっていっていける。というのはアナルステキなことだと感じ得ることができますし、それでみんな幸せだよ?なんだからね?

 

だから僕は花一匁っていいねっつって。

友だち出来たねっつって。

暮らしに役立つ知識だねっつって。中にはほら、モンメ決めようぜと集まったところで見渡す限り豚人間しかいない、海砂利水魚のスイギョッギョそんな日もあるではないですか。焦らぁ、焦らぁって。豚人間しかいなき日には焦らぁってっつって。

 

そして時折に訪れる、焦り。

花一匁に焦りは禁物の、と太古の昔より繰り返し繰り返し言っているではありませんか。アイツが。アイツが繰り返し言うでしょう。それを丸ごと無視して花一匁。結果はどうあれ花一匁。して不意に訪れる、焦り。(二回目)(最後の夏)

もうやってらんねーよないい加減。

 

 

みんなで海行こーぜ。