死のないところで

 

火の無いところに煙は立たないのに、どうして死のないところにも涙は流るるのでしょう。ねえ、どうして流るるのでしょうか。

それは涙が流るるような哀しみのエッセンスは、なにも死だけであるとは限らない故。嬉しく流るる涙もあれば、哀しみ大きすぎて涙も枯るることもある。そういった様々な種類の涙がある故、だから死のないところにも涙は流るるのでしょう。

 

 

でもそれって、いちいち聞かないと分からないほどに難しいことなのかな。説明されないと分からないことなのかな。僕は逆だと思っていて、そんなこと、涙の流るるところのことなんかはわざわざ言われなくても皆が皆、とくの昔に理解しているのでは?と考えてまして、でもそれがもし僕の勘違いであるなら僕の勘違いであるし、少し残念であるし。