
カップラを食せんと薬缶を火にかけている時に突如脳みそに差し込むような感覚がありて「ハッ…!沸く!」と感ずればマジで次の瞬間に薬缶(笛付き)がピナと鳴り響きお湯が沸く。カップラが食える。
そういったパナとした直感が第六感、虫の知らせ、シッスセンス?と呼ばれているものであることは皆さまも既にご存知んかも知れんませんが、私はこのシッセンセス?によりある生物が近くにいるのことをつぶさに感じ取れてしまうというあっても無くてもどっちゃでも良い超感覚を備えておりまして、なんというか、その生物というのは人間の女性なのであるがその生物はかなりハツラツとした性格の持ち主で、ということは基本的にダウナーな私とは相容れないのでございますが世の中は「ハツラツや良し。ダウナーや駄目。カス。」という風潮が吹き荒れておりそれ故に仕方なくハツラツなその生物に対して此方もハツラツに振る舞うしかなく私のようなダウナーな者がハツラツに振る舞うにはそれなりに気合いを入れんければならぬためその気合い溜めの時間を稼ぐためにその生物の接近を察知するシッセンス?が備わったんじゃないかな。なんて言いながら照れながら頭を掻いたりしてる毎日なのですが、その生物は此方のそんな余計なカロリーの消費なんて知るよしも無く今日もハツラツと、そして闊達と生を謳歌しておられて。
その生物が接近している時に私のセレンス?がどういった働きを見すかと言うと素直な気持ちで言うと、臭い、といったところなんです。
といっても実際の嗅覚として臭いわけではなくてバイブスが臭くなってくるというか、臭いような雰囲気になるというか、とにかくそんな感じであれ?臭くね?みたいなことになるのでありましてその臭いがするとその生物は徒歩40秒くらいのところに存在するわけでありまして、すると大体40秒くらいでその生物は私の前に姿を現わすのでありますが、その時はこれは実際の嗅覚として少々臭いわけでありましてそれがどんなスメルかというと仄かな屁のスメルでございまして、あ、昨日焼肉でも食うたんかな?みたいななかなかパンチのあるスメルでございまして、もしかしたらそのスメルを私は感じ取っており、それをシックセン?と勘違いしているのではと思う御仁も御座いましょうが断じてそうではないと言い切れるの根拠としまして私がレジャーで火口に行きた時にもこのセックス?によってその生物の接近を感じ取りふと辺りを見回すと真っ赤な溶岩の中からその生物が出でてきたこともあるのですから。さすがに全てを焼き尽くす溶岩をそんな仄かな屁の臭いが突き抜けてくるというのは考えにくいですから確かに私はセックスレス?によってその生物の接近を感じ取っているわけです。
その生物はいつお会いしても、さっきハワイから帰って来ました、みたいなバカンシブな格好をしており、南国風の花柄のワンピースに籠バッグ、スカーフなんて小粋に靡かせつつ月光に揺れるなるこ毛といったピースなアイテムで纏めており、そして肌が現地の人みたいに黒く焼けており、しかしこれはマジで現地の日差しで焼けているのかというとそうではなく、毎日自転車で通勤している故にかように黒く焼け焦げてらっしゃるのであり、パサパサのなるこ毛は単純に髪の手入れを怠っているだけの産物でありそのなるこ毛を月光でシルエット化させて無上のなるこ毛にしているだけことであるのですが、そんな見た目からガチャついており先が思いやられるその生物のコミュニケーションの取り方というのもまたガチャついており、とにかく自分が話の中心にいないと途端に不機嫌になりてなるこ毛を毟り取らんばかりに頭髪を弄んだりすることはもちろん、すれ違いざまに此方が会釈すると「抑えめの白。」とか言うてきて、ん?なんのことかな?なんて暫し考えているとあぁ、私が今日召しているこの生成り色のシャーツのことか。なんて合点がいくのであるが、そもそもこの生成り色のシャーツに対して「抑えめの白。」などと言われたところでそれは事実であるし、それをわざわざ取り立てて、そう!それが事実!なんて此方が反応するわけもないし、それって「わたしは生きている。」と言っているのと同じくらい当たり前のことで、逆に一周回って何か深いメッセージが込められているのかもと勘ぐってみる時間も無駄であるしそもそもすれ違いざまに何か言われてもそんなもん辻斬りと同じで一種のテロみたいなもんでどないせえっちゅうねん。反応でけへんやないかい。会釈には会釈で返してくれ(泣き)。と考えるだけ無駄でその生物が如くハツラツとした人間に私のようななるこ毛もロクに生やしていないダウナーなパーソンがウジウジ悩んでいる事など小さすぎて涙も枯れるでしかし。みたいな感じなんですかね。感じなんですよ。なるこ毛ってなに?セッセレス?まあ勝てば官軍やさかいな。