ますますモッピーな日々を

 

こうして「あれ?本当の幸せってなんだろう?それは花の咲くこと?それは子供たちの笑っている?本当の幸せを欲しいなぁ。」なんて考えるようになると、私もそれなりに年をとったもんだぜ、と感傷にヒタヒタに浸ってしまうようになると、私もそれなりに年をとったもんだぜ、とまた更に浸ることになり、これは二度漬け禁止の掟を破ったとして出入り禁止の後に出入り禁止解除!ってなことになるらしいので気をつけるとして、まだ私が幼かった頃、幸せについて本気出して考えたことがあっただろうか。あつまれパンプくんとかを観ながらシュガースティックをサクサク喰らっているだけの私ではなかったか。しかしあの頃はあの頃で、そうして何一つ生産的なことをしなくても親が養って呉れていたので、あれも一つの幸せの形、ハッピーだったのかな、なんて思うのだがどうだろう。

 

その本当の幸せとやらを探し出し、そして手に入れるために私たちは人間生活をやってますのえ。そしてそれを手に入れて、人のものを勝手に食べるのとかをやめて、今度は自分がその本当の幸せを他者に分け与えてあげることこそが、所謂"幸せのしわ寄せ"と呼ばれている一連の流れですのえ。

今、貴方は"幸せのしわ寄せ"という言葉を産まれて初めて耳にしたことでしょう。

そして、「うっわ、全然おもんないやん。つーかそもそも全然上手いことワードと行為がかかってないやん。うんこビチビチやで。」と感じたことでしょう。

しかし一つだけ言いたいのは、この"幸せのしわ寄せ"という言葉は私が考え、そして嬉々として使っているワケではないということで、これは何年前かな、なんかけっこう昔に私の師匠みたいな人が言うてたよ。嬉々として言うてたよ。それを弟子である私が、"幸せのしわ寄せ"伝道師としての弟子、まあ正確にはその師匠みたいな人も、師匠みたいな人って言うだけあってそんなに厳密な師弟関係があったというワケではなくて、なんだろ、なんか割と仲良くしてくれた先輩というか、なんかそういう関係の人で、その人が"幸せのしわ寄せ"とかってよく言ってて、いや、よく言っててとはいえ、口を開けば

「これぞまさしく、"幸せのしわ寄せ"、なーりー。」

という感じで生きていたのかというとそうではなくて、なんかその師匠みたいな人が競馬でちょっと儲けた時とかにご飯に連れて行ってもらったりしてて、そん時に「まあまあ、"幸せのしわ寄せ"やさかい、よしなに。」とかいう感じで使っていらしたみたいなところですかね。それを弟子である私が相伝しているというワケですね。

いや私自身もそんなべつに"幸せのしわ寄せ"って上手いこと言いなさるなあ先輩、とか思ってるワケではなく、どちらかというと貴方達寄りというか、まあ少しく苦笑いというかそんなノリで使い始めたというか、今でもちょっとやっぱ「あ、寒いな」って思いながら使ってるところはあるし、なんかそれが君のセンスなのだね、とか思われても困るというか、でもこれはべつに先輩のことをジスッてるとかいうことでは無くて、もちろん先輩のことは師匠みたいな人として尊敬してますしリスペクトが止まらないんですけどそれはそれというか、いや、なんかこんな言い方したら天国の先輩に怒られるわ。いや、まだ死んでないけど。

とにかく、幸せを他者に分け与えよ、ということを、"幸せのしわ寄せ"をせよ、ということを私は言いたいのえ。わかった?

それが貴方がモッピーへと近づく一番手っ取り早い方法なのですのえ。大丈夫?わかった?

 

と長い講釈、ほとんど言い訳に終始した講釈をかつて私に垂れた先輩がいた。先輩というか師匠みたいな人というか。いた。

私がその講釈垂れの先輩の講釈を聞いて一番心に残ったのは、先輩が終盤で突如出してきたニューワード、"モッピー"であった。

 

ハッピーというのは皆様ももう何万回と耳にしたことのあるワードであろう。

ババアですらその意味を理解しているという、どメジャーな英単語のひとつである。あとは、"ペン"とかもそうかな。

しかしモッピーとはどうだろう。そんな英単語はついぞ聞いたおぼえが無い。

わからないこと、知らないことは、オフェンシブにこれを調べていこう。それがIT時代のアレである。というのが私のモットーである私なので、早速英和辞書でモッピーという言葉を調べてみた。ら、あった。

びっくりした。あるんだ、マジで。

 

モッピーとは"moppy"と綴るそうで、「モジャモジャ」といった意味であるらしい。なんだよ。あんのかよ。しかも何やらいい感じにくだらない意味でとても良いじゃない。私好みじゃない。

いや、ちゃんと調べずにこの文を書き始めた私が悪いのはもちろんそうなのだが、そんな単語があるならあるで一言欲しかったなって思いました。英語の方から

「あの、モッピーって単語ですよね。実は、存在するんですよ。」

て教えてくれていれば、私は何もモッピーにこんなに拘泥することもなく、今日も元気にドカンをキメたあとサウナにでも行っていたというのに。

 

でも、あれだよね。「モップ」という単語がある以上、モッピーという単語もありそうだなってなんとなくわかりそうなものだけどね、俺も。でもまあ、喧嘩両成敗ってことで。モッピー。