ゴールボールゴール

 

とても過ごしやすい春の日なら、外へ出て運動をしてみてもいいのではなかろうか。それは爽快感の伴った疲労を貴方の心と身体にもたらし、日々の禍事を暫時忘却の淵へ追いやり、貴方に束の間のこの世の花園を拝みさせて響き渡って、そして、球技が良いでしょう。

バドミントンの方が良いのでは?とする向きもあるようだがそれはとんだ間抜けな意見であり私は日々これを無視し唾棄しつつ過ごしてきたのであるがいよいよもってバドミントン側の勢力が強まってきた感じを感じている為に、そういった不逞の輩に対して「なぜ過ごしやすい春の日にバドミントンをやってはいけないのか」をここでわざわざ時間をとって説明致そうと思いました。

 

さて、なぜ球技は良くてバドミントンは良くないしドン引きやし踏んだり蹴ったりなのであろうか。

それは、外は風が強いからである。以上。

 

やはり球技とはいえ地球上に数多存在する球技のなかで(6億種目ほどある)最も手軽で誰もが楽しめる球技とはなんぞやと私なりに図書館とかに行って調べたりしてみたのであるが、その結果導き出された最良の球技。それは、サッカーボールである。

 

サッカーボールほど手軽に遊べてしかも奥が深く、痒いところに手が届くというか、まあサッカーボールは手を使ってはいけないので俺は今しがた反則行為をしたということになるのですが、これがマラドーナって知ってます?アルゼンチンのサッカーボールの人。サッカーボール界のレジェンドで通称"全宇宙の神""ゼウス""サッカーボール界のエゲツないレベルの人"と呼びそやされている有名な人なのですが、あの人レベルに、マラドーナレベルになると多少手でボールに触ったところで、もはや脚で触っているのと変わらない、つーか全身が脚のようなものなので反則行為に当たらないてな措置になるそうなのですが、私たちのような一度日本代表に召集がかかった程度のど素人では手を使ってボールに触った場合は良くて無期懲役、最悪終身刑もあり得るという親泣かせなことになりかねないので、サッカーボールには決して手で触らない、もし触ってしまった場合はすぐによく手を洗い最寄りの皮膚科で診断を受けるなりしましょう。

 

さてそんな世にも楽しいサッカーボールであるが、私からひとつだけ未来のエースストライカーへアドバイスを贈ろう。

それはシュートを打つときの段取りについてである。

 

まず貴方がドリブルをしてテメェで相手ゴールに近づくなり、ゴール前でパスをもらうなりして、チャンスな感じになったとする。

この時ハッキリと自分にチャンスが舞い降りたことを周囲のスポーツ選手にアピールするために

「チャアァーンスッ!!」

と怒鳴り散らすことを忘れずに行おう。怒鳴り散らすどころか手近なスポーツ選手の襟首を掴んで「見ろっ!俺チャアァーンスッ!」と猛アピールした後軽く背中をど突いてもかまわない。チャンスなんてそうそう巡ってくるものでは無いので、ここで自分のやりたいことを全部やっておかないと、もし無事にゴールを決めたとてそこには、歓喜よりも悔恨が薄ら漂うのみなのである。

 

好きなだけ己がチャンスをアピールした後はシュートを放つ際に何を叫ぶかを決める。これに関してはシュートを打ちつつその時に思ったことを叫べばいいという指導をするクソコーチもいるが、そんなシュートを打つなんて大事な時に余計なことを考えていては決まるゴールも決まらなくなるので、やはり先に何を叫ぶかを考えておいた方が賢明というもの。

よくあるのは「でやぁ!」や「そりゃあ!」等の勢いのある掛け声系であるが、中級者以上になってくると「くらえっ!」や「いっけえぇぇー!」等の相手に気持ちをぶつける系のシャウトもよく聞かれる。

最近流行っているのは、これに関してはかなり上級者向けではあるものの、一旦区切る系というのがその界隈で幅を利かせている。

これはどういったものかと申しますと、たとえば"ファイナルアタック"というシュート名だとしてシュートを打つべく脚を振り上げた時に「ファイナルゥー!」、そしてボールにインパクトするその瞬間に「アタァーック!」。この一連のシャウトが見事に決まるとボールは自然発火し、その炎は龍のシェイプとなって相手ゴールに襲いかかります。なので超かっこええということを覚えておきなさい。

 

あとはまぁ、自分で考えてくださいね。

 

そして自分なりのサッカーボールを見つけてください。