
今でこそ、四人で上手くいっているので当然なんの問題も無く日々をパヤパヤさせてもらってるんですけど、正直に言うと、今やからこそ言えるんですけれども、我々ちょっとギクシャクした季節もあるにはあったのである。
これは考えてみれば当たり前のことで、人が二人と集まれば、そこには戦争が起こるなんていう物騒な格言も今考えたくらいであるので、人は人と関わる以上争いはこれを避けることが出来ないということが言いたいんですけれども、たとえ二人の間に何ら争った形跡が無くともそれは二人のうちのどちらかが極端に譲歩していると考えて間違いないのであって、どちらも幸せ、誰もがカーニバルみたいなことは現実には起こり辛く、つーか起こるはずも無く、人と人がそこへ居る以上絶え間なくこれは争いが繰り返されているのであって、我々四人はその銃弾の雨をすり抜けて、しかし必要最低限の譲歩や妥協はすべからくしつつこうして四人で上手くやっているということをまずわかってくれや。
五人の時もあったんですよ。
あれは確か三人目の奴が連れてきたのだと記憶しているが、何となくこれから四人で頑張っていくのかなみたいに口には出さんが皆が薄々感じ始めてた、そんな春の日のだったと思うのだが、三人目の奴が急に「今日はみんなに話があるんです。」とか言うてえらい改まった感じで言い出すから何?ってなことになって、まぁ話を聞いてみたらどうも最近なじみの純喫茶で知り合った奴に、五人目にふさわしそうな匂いがする奴がいるってな話で、そんで我々もそら人数が増えるなら増えるでそれは全然ウェルカムやからってことでほたら一回連れてきいやってことで皆で段取りしてその五人目にふさわしそうな匂いとやらの奴に会ったことがありまして。
まあ実際に会ってみてまず感じたのは、基本的にすごいいい奴やなってことでこれに関しては全員一致で思ってたんですけど、そして気も利くし話してみてそんなに不快な感じも無かったんで、あ、これは確かに五人目としてやっていけるなって感じたのだ。
シャイで気障なところがある我々四人に対しても良い意味で物怖じしない感じとか疑問に思ったことはちゃんと聞いてきてくれるし、我々ももちろんそれに対して誠意をもって答えるし。
まあその日はその五人目候補の奴にはとりあえず帰ってもらって、後日現行の四人だけでまた話をしようとなりこれを段取りしたのだが、まぁ基本的には満場一致で奴を五人目として迎え入れたのである。
が、しばし五人で活動するうちにあるクソ暑い夏の日に四人目の奴が「あの、五人目の奴なんですけど、奴はどう考えても八人目くらいな気がするんですよね。僕だけですかね。」なんて言いだしたものだからこれは大変やなとすぐさ話し合いの段取りして五人揃って話し合いの場を設けました。
それでまぁ五人目の奴に話を聞いてみたらやはり奴自身も自分は五人目には向いてないと感じていたみたいで。それでその日は解散したわけですけれども後日五人目本人から「なんか僕って五人目というよりは十人目って感じがするんですよね。九人目まで集まったらまた誘っていただけますか。」てな感じで一旦辞めさせてもらいたいみたいな話になってね。
そんな紆余曲折を経て我々は何とかかんとか今こうして四人でやってるというわけである。四人で頑張っていこと思っている次第である。尤も、私は三人でいいのとちがうかと思っているのだが、そこは譲歩。