
男の夜は、ビールで幕を開ける。
ビールとチーズたらで幕を開ける。
俺がもし、知らないおじさんから「ほな貴様の主食とはなんぞや。」と尋ねられたなら、こう答えるね。
「主食?主食は麺類だね。あとビール。ビールが主食ですわ。ドイツなんかではビールは"飲むパン"とか言われてるからね。だからまぁ主食はパンかな。小麦。小麦全般。あとお前いくら年下に見えるからって初対面の相手にいきなりタメ口きくなよ。礼を欠いてるなって手前で思わないのか。まぁだから此方もタメ口きかせてもらってるけど。此方人等売られたケンカは買うタチなんでね。でもあれですよね。いくらいきなりタメ口きかれて腹が立ったからって此方もタメ口きき返すあたり、俺もまだまだ子供やね。いや、いいのよ。たしかに俺の方が明らかに年下やからタメ口きいてくれて全然いいのよ。でも言い方よね。「貴様の主食とはなんぞや。」って、初対面でなんでそんな大上段から物申しとんねんと思うじゃない。これが「にいちゃんの主食ってなんなん?」みたいな、フランクな感じで、親しみやすい感じで言うてくれたら此方も「え?主食っすか?麺類っすねー。あとビアー。つーかなんなんすかその質問(笑)」なんつってフランクに、若者らしさを醸し出した答えかたができるじゃない。まぁお前みたいなもんに言うてもわからんかもしれませんね。見た感じもう50代半ばくらいでしょ?ずっとそういう感じで生きてきたっぽいですもんね。まぁこれからもそうして居丈高に過ごしてせいぜい初対面の若者に主食を尋ねるという意味不明な行為を繰り返し、そして闘病の後に死ねばいいんじゃないですかね。」
うん、こう答える。
なげぇ。自分で考えといてなんだが、知らないおじさんから主食を尋ねられただけとは思えないロング・セリフ。まぁでもこう答えるかな。
そう、俺の主食それはビール。
麺類とビールで私はできている。麺類とビールが大好きなのだ。
ならば、もしこの世から麺類とビールが消えたらどうしよう。俺は野良犬のように街の片隅で果ててしまうのかい。
いいや、そんなことはないぜ。その時は何かほかの物を主食にします。米とか。
そんな俺の生活に欠かせないビールだが、ナイトキャップにおかれましては、これはビールはちょっと似つかわしくない。ナイトキャップは大人の嗜みなので、そして寝る前なのでビールのようにスパーキーで爽快感のあるお酒はあんまり合わないんじゃないのかなってのがもっぱらの意見さ。
まぁ意見って言ってもアレだぜ、そんなに真摯に受け止めてもらわなくても構わないからな。軽く言ってるだけだからな。
ほなナイトキャップに合うお酒とはなんぞや。
それはズバリ、ウイスキーとかブランデーとかの、大人な感じのお酒だろう。大人のお酒を飲むことによって初めてあなたのナイトキャップの幕が開くと言いきりたい。
ただ、俺はビールしか飲めない根っからのビール党で文化系で、その上ナイトキャップなどせずとも寝つきが良いタイプなのでウイスキーとかブランデーとかに世話になることは、幕が開くことはないんだぜ。
まぁそんな感じで。