
これだけは疑問に思うのは、何故あなた方はもっとジャンボリーに行かないのだろうかということなんですね。
あなた方が平々凡々と日々を過ごしているこの間も、ジャンボリーは各地で行われているというのに。
スマホーやSNSの普及で人と人との繋がりがうすら薄れてきたっぽいと言われまくっているこの現代社会において、ジャンボリーほど失われた繋がりを取り戻すのに相応しいイベントもそう無いと感じるのは果たして私だけなのでしょうか。
あと現代人は自然との関わりが薄いというか、「虫とかマジ無理」とか言う貧弱者、弱者ばっかりですよってに、そういった方々にとってジャンボリーは、失われた自然との交流を果たせる場という役割も担っています。
ジャンボリーに行くとまず目に付くのは、オーバーオール着てるヤツいる率の高さと、ヒゲともみあげが繋がってるヤツいる率の高さ、そしてその両方を兼ね備えたクマみたいなヤツいる率の高さではないでしょうか。
みな示し合わせたようにネルシャツの上にオーバーオールを着たヒゲ面のオジサン集団。ジャンボリーの象徴とも言うべきこのオジサンたちは、全員が全員食べられる野草やジビエの下処理、環境に優しいゴミの出し方等に詳しいし、お得意のフォークギターで友情や自然の大切さについてのメッセージがふんだんに込められた自作の歌を聴かせてくれたりしますね。
また、ジャンボリーと言えばみんなと協力して作るジャンボリー焼きも魅力のひとつなのではないでしょうか。
ジャンボリーによって作り方には細かい違いがありますが、餃子の皮のもっと分厚くて広大な版みたいな皮を袋状に成型し、そこへオジサンが採ってきた食べられる野草やジビエをがむしゃらに詰め込んでロッジのなかにある本格的な暖炉で焼くというのがオーソドックスな、主流なジャンボリー焼き。
このジャンボリー焼きの面白い、爆笑なところは、作るのが材料集めの段階からかなり大変で、下処理やら仕込み、そして焼くのにも相当な時間がかかるのにもかかわらず、そんなに美味しくない、いや正直激マズなところではないでしょうか。
ブヨブヨの皮に包まれた苦い野草と臭いジビエ肉、味付けはシンプルに塩胡椒だけで済ましているだけあって素材の味がダイレクトに楽しめるのでマズさを感じやすい。マズさを誤魔化していない。ジャンボリー主催者のヒゲ面のオジサン集団はやはり自分たちが先陣を切って調理をしているだけあって「マズい。」とは言わないのですが、無言で苦笑いを浮かべながらモグモグと口をただ動かしているところを見ると、やはり彼らにとってもジャンボリー焼きは決して美味しいものではないのだということが窺い知れてそれがまた面白いです。
昼間のジャンボリー活動で疲れた身体に激マズのジャンボリー焼きをぶち込む。この無情さがジャンボリーのジャンボリーたる所以のひとつなのかもしれませんね。
ジャンボリーの最後は、キャンプファイヤーを囲みながらオジサンの演奏でみんなで「野に咲く花のように」を歌うのがジャンボリー。ジャンボリーとは歌に始まり歌に終わるものなのです。
ここまでジャンボリーの説明をしてきて、あなた方はひとつの事実に気が付いたのではないでしょうか。そう、ジャンボリーとは、誰も傷つくことのない究極の娯楽イベントであることもまああるんですが、それと同時にめちゃくちゃおもんないイベントであるのです!なんやジャンボリー焼きて!
というわけで衰退するべくして衰退したジャンボリーに、機会があればあなた方も参加してみてはいかがでしょうか。私は参加しませんけど。