
自分以外に誰もいないハズの部屋なのに、何かの気配を感じる。夜に暗いトンネルを覗くと、トンネルの中に何かがいるような影が見える。来たことのない場所なのに、前に一度訪れたことがあるような気がする。
誰にでも経験があるのではないだろうか。
こういった経験はなにも特別なものではなく、我々人間や、他の動物もビンビンに感じることが出来る。なぜなら私たちには、ある秘密の敏感器官が備わっているからである。
その器官の名は、''ジャンボセンサー''。
ジャンボセンサーという言葉自体、初めて耳にするという方も多いのではないだろうか。それもそのはず。この器官は極一部の脳科学者のみがその存在を知っており、長きに渡って最高機密として秘密裏に研究されていた超シークレット器官だからである。なぜ秘密裏に研究されていたかというと、ジャンボセンサーの研究者が軒並み恥ずかしがり屋であったからという''シャイ説''が一番濃厚であるが、ジャンボセンサーの存在が発表されてすぐ、研究者全員が謎の死を遂げたため答えは空の上である。余談でした。
さてこのジャンボセンサーとは一体どのような器官なのかというと、前述のとおり、見えないものが見えたり、感じないものを感じたり、聴こえない音が聴こえたり、泣いたり、笑ったり、時には切なくてヤキモチを妬いたり、沢山の出会いと別れを繰り返して、そして最期は一族郎党に囲まれて死ぬ。ということを敏感に感じ取ってくれる謂わば''エモーショナル器官''である。
人によっては前世の記憶を思い出せたり、匂いから色を感じたりと、要するにスピリチュアルなエモーショナルをキャッチして五感で感じ取れるように変換してくれるみたいな。そんな感じである。器官である。
ジャンボセンサーが備わっている場所であるが、当然脳の中にそうゆうスペースがあるのかと思いきや、実は尾てい骨の周りの神経の一部にくっ付いており、これは動物ならば尻尾の付け根にあたる部分、あぁ、なるほど。確かに動物の尻尾ってセンサー的な役割があるらしいですよね。と思えば納得も得心もいく付き所である。アナルには神経が集中してるらしいし。
ここまで読んで「もしかしてそれってアレですか?霊能者とかスピリチュアルの人とかみたいな話ですか?私ってそうゆーの信じないタイプなんですよ。なんかインチキ臭くないですか?」と思うのがおまえという人間だろう。一理あり。しかし、霊能者やスピリチュアルの人が全員インチキかと言われるとそれも違うのだ。
そう、世に言う霊能者、スピリチュアルの人とは、実はこのジャンボセンサーが異様にアガッてる人、ナチュラルハイ、常に良いネタを引いてる状態な人達なのである。
彼ら霊能者、スピ人は、ジャンボセンサーで感じるエモーションがハンパではなく、一般のヒトの五倍から十倍ほどはビンビンに勃ってると言われており、ジャンボセンサー自体も普通よりもやっぱちょっとデカいそうだ。尾てい骨がデカめだそうだ。そんなもん誰がわかんねんと私も初めは思ったが、確かによく見てみると人間の尾てい骨には大きい小さいがあることがわかったし、少しは尾てい骨の大小も見分けられるようになったが、この能力が他のことで役に立つことはない。絶対にない。
まぁそれは置いといて、ならば尾てい骨さえデカければ霊やらスピリチュアルやらイケるんかと言われるとそれはそうではなく、ジャンボセンサーがその能力を最高にスペシャルな感じで発揮出来る人達にはある特徴がある。
それは、バツグンにドスケベであるということである。
ジャンボセンサーは尾てい骨というアナルにかなり近い所にあるため、アナルのテンションに非常に刺激を受けやすい。そのため、日常生活のなかで、興奮によりアナルをヒクつかせる回数が多いドスケベな人達の方がジャンボセンサーに与える刺激も多く、それ故にジャンボセンサーの感度もくんくんに上がっていく、結果、なんか霊っぽいものとかスピリチュアルなものを普通の人よりも感じやすくなるという構造なんですよね。
つまりテレビで霊やらスピリチュアルやらほざいて自らのジャンボセンサーで感じたエモーションをバンバン発表している人達は同時に、「私はドスケベのアナル人間です。夢は来世で性器に生まれ変わること!その夢を実現するために確かな人脈づくりと自分への投資を欠かしません。やりたいことやってる人って輝いてる!キラキラしてる!」と全国の電波を使って宣言しているのと大差ないのである。ご両親が聞いたら泣く。
もしあなたが不思議な力に興味があり、ジャンボセンサーを活性化させ、見えざるものが見えるようになりたい、感じられるようになりたい、と思うのなら、差し当たって始めるベキはとにかくドスケベになることである。とりあえず風俗でも行っとけ。と、北方謙三先生みたいなことしか、ジャンボセンサーがそれほど敏感ではない私があなたにアドヴァイス出来ることはない。