サッカー野郎此処に在り

 

ギャイン、ギョイン、ギャイン、ギョイン。

サッカー野郎はいつだってスパイクを履いているのだ。だからコンクリートの上とか歩くとスゲーうるさい足音がギョイン、ギョインと響き渡るんだ。その足音はまるで、戦いに向かう戦士たちへのファンファーレのようにも聞こえる。

 

サッカー野郎はいつだって気を抜くことはできない。それは街角で、それは自宅で、いつどこからパスがくるかわからない。いつどこで誰に何をアシストされるかわからない。つまり何もわからないんですけど、間違いなく言えることは、いつなんどきでも常にゴールを狙っていなければならないということだ。

 

それがストライカーとしての役目だと俺は思っている。ギャイン、ギョイン、ギャイン、ギョイン。常にスパイクを履いて常にゴールを狙っていないヤツは、真のストライカーにはなれない。おばあちゃんはスパイクのことを''スバイク''と言うけど、そう言うのも含めて、含んでいかないと真のストライカーにはなれない。

 

もしあなたの孫がスパイクではなくサンダルでも突っかけて山野を駆け回っているのだとしたら、そのままでは真のストライカーになることは難しいと言わざるを得ない。孫がストライカーではないというのは、ブラジルでは嘲笑の的になってしまうということを、世の父兄さんは知らなすぎる。とはいえここはブラジルではないじゃない、とあなたは思っただろう。しかしその考え方、ブラジルを意識しない考え方こそが、この国が真のストライカーをなかなか生み出せない最も悪しき思想なんだ。俺の思想はこうだ。

 

サッカーが行われている以上、そこはほぼブラジルである。

 

俺は真のストライカーにはそういう考え方が大事だと思っている。ブラジルを意識せずにサッカーをやっているようでは、いつまでたっても真のストライカーになるのは難しいだろう。

 

たしかにこの国のサッカーのレベルはここ何年かで数段上がっている、イケてると感じてるが、世界レベルに比べるとまだまだ甘い。ブラジルが見えてこない。

 

世界レベルまで上がっていくには、やはり戦術面においては、やはり今欧米でも主流になりつつあるポジション、ボヘミアンサイドアタッカーの育成は不可欠だと思うし、それに合わせたアメリカンショートレンジパスの強化も必須となってくるだろう。

 

また、タレント面においては、まあこれは国民性っちゅうのもあるさかい少し厳しいかもしれないが、代表チームに一人、欲を言えば国内のクラブチームにも一人はハッピーバースデーファンタジスタ的な存在が存在することが望ましい。海外のクラブチームにはかならずと言っていいほどハッピーバースデーファンタジスタが居るものだが、国内クラブチームにはそういった存在がいないというのが現状だ。

 

その二つの面を強化していけば国内サッカーも盛り上がるし、盛り上がるということは多くのサポーターがスタジアムに集まるということになるし、そうなればサポーターの中に一人は、「おまえ、絶対登山してきたやろ。」という感じの人も現れることになる。

そうなれば常にギョイン、ギャインも間近だと俺は思う。

 

真のストライカーがこの国に一人でも多く育ってくれれば、俺の役目はギャイン、ギョイン。