
「知る人ぞ知る。知らない人ぞ知らない。それが私きらりちゃん。」
きらりちゃんは、およそ関わる全ての人間から愛されていた。
それは光。それはぬくもり。
僕だってできればきらりちゃんみたいな人間になりたかった。
みんなから愛されたかった。
でもそれは無理なのね。
もう無理なのね。
育ちが違うのよ。
人間は受けた愛の分しか、人に愛を与えられないの。
僕の受けた愛なんて、知れてるのね。
もし僕が来世できらりちゃんみたいになれたら、みんなでバーベキューとかに行きたい。
夏は海に行きたい。
冬はスキーに行きたい。
だから今生では、何もしないのね。