心のなかの厄介なもの

私の心のなかに、たまにミチルはいます。

ミチルというのはとても小さな精神上の生き物(?)のことです。48時間一度も勃起をしなかったとき、つまりかなりナーバス精神状態のときに、ミチルはみなさんの前にその姿を現します。

あれみたいな感じです。覚えてますか?昔流行ったメールソフト、ポストペット。あのピンクのクマの成れの果てがミチルです。みなさんが遠い昔に捨てっちまった電子のカスの集合体がミチルなのです。

現実と虚構のはざま、デジタルとアナログの混合シナプス、後頭部から魚のニオイを発しながらミチルは人の世を漂い生きています。

ミチルが心のなかに現れた人たちはみな口を揃えてこう言います。

 

「くっ…せぇの。」

 

そうなんです。くっさいんですミチル。見た目の可愛さが嘘のような強烈な臭気を四六時中発しながらミチルは現れます。

居るだけで邪魔なのに更にくさい。心のなかの一番踏み込まれたくないところに堂々と居座り、あまつさえニヤニヤしながらミチルは消えません。しかもたまにチンコを見せてくるという余計な大サービスっぷりです。

ミチルがホレホレと手を降るので「あぁ、またチンコ見せてくるのか。大人のチンコだしなぁ。かわいくねーんだよ。テンサゲ。」なんて思ってミチルの指差す股間を見ると、たまに(時々って意味ね。タマじゃないよ)チンコがついてない日があります。そんなときミチルはポケットの中から外したチンコ(adult)を取り出し、少し恥かしそうに

「今日な、女の子の日やねん。」

と言います。初めてこのギャグを見せられたとき、ミチルのチンコは取り外し自由なんだなと思うと同時に、確かな殺意が芽生えたことを覚えています。しかしミチルに物理攻撃はできないため、膨大するストレスを抱えながらふんふん歩くしかないワケです。ふんふんする私を見て、ミチルは笑います。

ミチルはだいたい2~3日ほど心のなかに居て、急に居なくなります。ある朝起きるとミチルは消えているのです。

あのときのスッキリとした気分と、一抹の悲しみはなんでしょう。

もう会いたくないけど、また会いたい。

 

そんな人が、あなたにもいませんか。